曲線座標 3. 共変微分

  デカルト座標におけるスカラー場 F (X) の微分を考える。この関数を曲線座標で表した場を f (x) とすれば、同じ点で、
が成立するから曲線座標における微分と次の関係にあることが分かる。
この関係はベクトルの共変成分の関係(2−2)式とおなじであるから、スカラー場を座標の反変成分で微分したものはベクトルの共変成分であることが分かる。
次にベクトル場の微分を考える。デカルト座標におけるベクトルの反変成分を Vi (X)、曲線座標におけるこのベクトル場の反変成分を vi (x) とかくと同じ場所で、
であるからこの微分は次のようになる。
この式の右辺を変形すると次のようになる。
この計算を続けるために計量テンソルの微分を求めておく。(2−10)式より、
となるので次の式が成り立つ。
この式の両辺に git をかけて t について和をとると(2−13)式より次のようになる。
ここで次のクリストッフェルの記号を導入する。
これらの式を使うと(3−4)式は次のようになる。
いま、
とかけば、これは2階のテンソルの共変反変成分であることが分かる。
別の観点から曲線座標におけるベクトルの微分について考える。曲線座標の基底ベクトル(1−2)式を使うとベクトルは反変成分を使って次のように表される。
この場所と無限小の距離はなれたベクトルとの差を dV とかくと、上の式を使って次のようになる。
これよりこのベクトルは次のようにかくことができる。
これより曲線座標におけるベクトルの微分は(3−7)式で表されることが分かる。
次にデカルト座標におけるベクトルの共変成分を Vi(X)、曲線座標におけるこのベクトル場の共変成分を vi(x) とかくと同じ場所で、
であるからこの微分は次のようになる。
この式の右辺を変形すると次のようになる。
この括弧内の第一項は(3−10)式の右辺第一項と等しいことはすぐ分かるので、第2項同士の比較を行い、
が成立すればこのように変形できることが分かる。この式の左辺を変形すると、
となり両辺は一致する。これより(3−10)式は次のようにかくことができる。
ここで、
とかけば、これは2階のテンソルの共変成分であることが分かる。
(3−7)式、(3−12)式はどちらもベクトルの微分を表しており共変微分と呼ばれる。
テンソルの共変微分を求めるために次の量を考える。
これ等はともに3階テンソルの、2階の反変1階の共変成分であるから足し合わせた、
も同じ変換性を持つテンソルの成分になる。そこでベクトルの成分の積についての共変微分を次のように定義する。
この式と上の式より次のようにかける。
これより2階のテンソルの共変微分を次のように定義する。
同様にして高階のテンソルの共変微分もベクトルの成分の積についての共変微分に関する規則、例えば、
より、
となるので、これに対応するテンソルの共変微分は次のようにかける。
これより、計量テンソルの共変微分を計算すると、
となる。すなわち、
である。これより添字の上げ下げと共変微分は可換となる。