電磁気あれこれ 1. 電磁気あれこれ

 古典電磁気学は今から約150年前にジェームズ・クラーク・マックスウェルによってその基礎が確立されました。これは電灯や無線の発明される以前のことですが、20世紀には電気を応用した製品が飛躍的に発展し、21世紀の私達は電磁気を利用した製品に囲まれて生活しているといっても過言ではありません。この背景には物質のミクロな振る舞いを量子論的に扱う物性研究や電磁気学の応用技術の著しい発展があり、最近ではコンピュータによるシミュレーション技術の発展などがあります。このようなことから考えますと、当然のことながら古典電磁気学の基礎的なことは現在ほとんどが明らかになっていると思われがちです。しかし私の知る限りでは、基礎的なことに限ってもまだまだ分からないことがたくさんあります。
 例えば、物質中の電磁場はE、D、B、Hといった4種類の場によって表現されています。 これらの場の関係は各物質に特有な構成方程式で結び付けられていますので、この中の二つだけが独立な場であり他の二つはそこから導かれる従属した場となります。 このときこの独立な場としてEとBを選ぶかEとHを選ぶかまたはそれ以外の場をとるかは基本的に自由です。どれを選んでもマックスウェルの方程式を解くことができます。ですから現在ではより基本的と考えられているEとBを選んで話を進める場合が多くあります。この表現法はE-B対応と呼ばれています。
 一方電気と磁気の対称性に重きをおきEとHを選ぶ場合がありE-H対応とよばれています。 ここで疑問が2つあります。
 一つ目は、これらの場の選び方は本当に表現だけの違いなのかそうでないのかということです。確かにマックスウェルの方程式はどれを使って表しても等価ですが、そこから得られた結果をどのように現実と突き合わすかというところで異なってくるのではないかと思っています。
 二つ目は少し観念的な話になりますが、EとBがより基本的な場と考えるなら、なぜEとHに美しい対称性があるかということです。たまたま自然がそうなっているというかもしれませんが不思議なことです。
 これはほんの一例ですが電磁気学には基本的なことでも疑問に思われる事柄がいっぱいあります。ここでは私が以前から疑問に思っていたことについて自分なりに考えたことを書いていきたいと思っています。したがって、もう既に周知のことで私だけが知らなかったことや考え違いをしていることも多々あると思いますが予めお断りしておきます。