電場解析 コイル線間の電界解析(放電)

概 要

サージ電圧のように、コイルに高い電圧が印加されると、局所的に高電界が発生することで、 放電し、コイルの被覆が損傷する現象があります[1]。

本事例では、被覆付きのコイル素線(ケーブル)間に電圧を印加したときに発生する電界を解析しました。

コイル素線間の電圧1[V]当たりに発生する電界強度としています。

実際に印加されている電圧の大きさを掛けることによって、最大電界強度とみなすことができます。



               図1.概要図

解析結果


           図2.ポテンシャル[V] ギャップ長0.001[mm]



           図3.電界分布[V/mm] ギャップ長0.001[mm]


ギャップ長を変更して解析した結果を図4に示します。



          図4.電界強度とギャップ長


パッシェン曲線[2][3]

放電は放電開始電圧Vs、ギャップ長d及び雰囲気圧pの関係を示すパッシェン曲線から推定できると考えられます。

パッシェン曲線は

  

で表すことができます。ここで、Bは電極間の気体によってきまる定数です。Cは気体と電極によって決まります。

B=C=1としたときの、パッシェン曲線を図5に示します。


            図5.パッシェン曲線


パッシェン曲線は雰囲気圧を固定して(例えば、大気圧)、電界-ギャップ長で表すと、図5の黒線のようになります。

他方で、電界解析から得られる結果から電界-ギャップ長で表すと赤線のようになります。図4に相当します。

印加電圧を大きくしていくとパッシェン曲線と交差し、放電が開始される印加電圧が推測できると考えられます。


      図6.概念図([1]を参考にして、模式図を作成)


参考文献

[1]N. Hayakawa, H. Okubo, ”Partial Discharge Characteristics of Inverter-Fed Motor Coil Samples Under AC and Surge Voltage Conditions,” IEEE Electrical Insulation Magazine, Vol.21,No.1,pp.5-10, 2005.

[2]“電子写真”, R.M.シャファート[著], 井上 英一[監訳], 共立出版

[3]“放電プラズマ工学”, 行村 健[編著], オーム社

使用したソフトウェア