動磁場(渦電流)解析 外場機能を用いたRFIDカードの磁性シートの効果に関する解析

概 要

RFIDカードの近傍に金属が設置されていた場合、外部一次コイルによってカード内の回路に発生する起電力は、金属からの減磁効果により著しく低下します。この減磁効果を抑えるためカード表面に磁性シートを装着した場合、起電力にどのような変化が生じるかPhoto-Eddyjωで解析を行いました。
RFIDカードの断面図と回路
RFIDカードの断面図と回路

※:回路は閉じた導線として簡易化しています。

RFIDカードの全体

金属とRFIDカード
ここでRFIDカードに対してリーダ・ライタ側の一次コイルがX方向に並進している時各位置における回路に発生する起電力を計算します。この時、各時刻で一次コイルとRFIDカードの相対的な位置は変化してしまうため、位置毎にメッシュを作製し直す必要があります。しかし外場機能を使用することによって、一次コイルとRFIDカードのメッシュを別々に作成しても(節点を共有していなくとも)計算を可能としています。これによりメッシュを作製し直す手間を省くことができます。
非接続メッシュ図

解析条件

物性条件(空気) 比透磁率 1 電気伝導率 0
物性条件(PET) 比透磁率 1 電気伝導率 0
物性条件(銅線) 比透磁率 1 電気伝導率 1e+6
物性条件(金属) 比透磁率 1 電気伝導率 1e+6
物性条件(磁性体シート) 比透磁率 30 電気伝導率 0


入力条件
リーダ・ライタ側の一次コイルに周波数13.56MHz の50mAの電流を設定しました。また、リーダ・ライタ側の一次コイルの初期位置をRFIDカードの中心位置からX方向に-1.05mの位置に配置します。リーダ・ライタ側の一次コイルは+15cm/secの速度で移動させ、RFIDカードの中心位置まで1秒間隔で7秒間の解析を行いました。  比較のため以下3パターンについて解析を行いました。

  ケース1:カード近傍に金属無し、磁性体シートがない場合

  ケース2:カード近傍に金属有り、磁性体シートがない場合

  ケース3:カード近傍に金属有り、磁性体シートが有る場合

解析結果

ケース1の磁場分布アニメーション


ケース1の磁場分布アニメーション


ケース2の磁場分布アニメーション


ケース2の磁場分布アニメーション


ケース3の磁場分布アニメーション


ケース3の磁場分布アニメーション
RFIDカード回路に発生する起電力のグラフ

考 察

ケース1の誘導起電力に比べ、ケース2及びケース3は近傍の金属の減磁効果により著しく低下していることが分かります。しかしケース3では磁性シートを装着することにより、金属側からの渦電流による磁束線を磁性シートが吸収する役割を果たすためケース2に比べ実部で1.64倍、虚部で1.37倍の誘導起電力を得ることができました。
今回のパターン以外に一次コイルの位置、電流、周波数、RFIDの物性値等の変更はPC上において数オペレーションで実施でき、再解析可能です。