電磁波解析 多孔形方向性結合器の解析事例

多孔形方向性結合器

多孔形方向性結合器(図1)は、E面を共有する2つの導波管(WRJ−10)内に多数の結合孔を空けた結合器で、広帯域にわたって良好な方向性を示します。

図1 形状全体図

この導波管のポートに10GHzのマイクロ波(TE10)を入射した際の導波管内の電磁波を解析しました(図2)。

図2 導波管入射面での入力電場形状

導波管内部の形状は図3のようになっています。

図3 導波管内部(上面は省略)

孔の径は中央に近いものほど大きく、孔の中心位置は管内波長の1/4間隔で配置されています(図4)

図4 導波管中央の開口部

解析モデルは3次元で、用いたモジュールはPHOTO−WAVEjω、総節点数は4515、総要素数は5536です。

方向性結合器の動作原理

図5 動作原理

図5のポート1から入った前進波は、主導波管と副導波管をつなぐ開口部を通過するのでポート2とポート4に一定比で伝達されます。

ポート4に出力される波は主導波管の前進波に比例した出力が得られ、ポート3に出力される波は主導波管の後進波に比例した出力が得られます。

開口部は、主導波管を伝達する波がほぼ無損失となるように設計されており、副導波管を伝わる波は主導波管を伝わる波に比べて非常に小さくなります。

解析の条件設定

物性条件(空気) 比誘電率(実部) 1 比誘電率(虚部) 1
比透磁率(実部) 1 比透磁率(虚部) 1
解析条件 周波数 10GHz
入力条件 ポート1にTE10波を入力
境界条件 各ポートに無反射境界条件を設定

解析結果

開口部は主導波管を伝達する波がほぼ無損失となるように設計されています。
副導波管を伝わる波は主導波管を伝わる波に比べて非常に小さくなっていることが下図より分かります。

次に副導波管内の非常に小さな波を見るために、スケール変換を行った図を次に示します。

図5のポート1から入った前進波は、主導波管と副導波管をつなぐ開口部を通過するのでポート2とポート4に一定比で伝達されます。
ポート4に出力される波は主導波管の前進波に比例した出力が得られ、ポート3に出力される波は主導波管の後進波に比例した出力が得られます。
方向性結合器はこのように主導波管の損失を抑えつつ波を分岐し、副導波管にて反射電力比等を計測するために利用されます。

最後に結果をアニメーションで表した図を右に示します。